2010年02月18日

【初音ミク】Fly with me(Short Edition)【直訳日本語版】公開しました。

 下記の動画は、元々英語圏への情報発信を念頭に作りました。
 今回は直訳ニホンゴに作り変えて、ニコニコ動画に逆輸入公開いたします。

【初音ミク】Fly with me(Short Edition)【直訳日本語版】
ニコニコ動画版
http://www.nicovideo.jp/watch/sm9757537

YouTube高画質版
http://www.youtube.com/watch?v=KQYfFQpy01U

 応援署名活動は終わっても、JAXAの金星探査機『あかつき』の活動そのものは始まったばかり。
 応援してます。
 それとあと、はやぶさが無事地球に帰ってきますように!
 人生の楽しみは尽きませんのぅ!はっはっはっはっ。
ラベル:PV
posted by 切身魚(Kirimisakana) at 21:57| Comment(0) | 20のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年02月13日

『11 希少性神話は死んだ』

 こんにちは、猫耳DMことVOCALOIDな界隈では切身魚の人です。
 Andrew Dubber氏の無料e-booksで配布されている著書、『オンライン音楽について知っておきたい20のこと』(原題"The 20 Things You Must Know About Music Online"
)は大変知的に刺激を受ける良い論文です。
 20個ほどの、優先順位はないのですが、いずれも重要な『オンラインでの音楽ビジネスについて、知っておけ!』なお話が収められています。
 私が今日読んでみたのは11番『希少性神話は死んだ』です。本当に読みながら「うんうん」と首肯することしきりでした。
 正確で、実用新書のように論理的な日本語訳はheatwaveさんのブログでご覧いただけます。より理解を深めたい方はぜひご覧下さい。
http://peer2peer.blog79.fc2.com/blog-entry-1427.html
http://peer2peer.blog79.fc2.com/blog-entry-1624.html
 ここでは私の意訳を交えた引用つきで、その内容を少しご紹介いたしますね。以下の()内は私の注釈です。

 経済学者に「希少性の神話は死んだ」と宣言したら、物理学者にむかって「万有引力の法則は死んだ」というようなものでしょう。
 ですが事実、インターネットは既存経済学の常識を破壊しました。かつての経済学の言葉では、今の、これからの世の中のお金の動きを説明できないのです。

 筆者は15歳のころ学校で経済学を学びました。『需要と供給』の法則と、『希少性』を教えられた当時は、不変の法律のように感じられたものです。
 この二つの重要性は明白です。経済額の小論文に『希少性』と書けば書くほど、良い点をもらえたようです。

あなたはパクランガのエッジウォーターカレッジ5年生ではないでしょうし、経済学の専門家というわけでもないでしょうから、もう少し説明しましょう。

 限られた量の商品があるとします。
 そこで、スーパーの棚に3個だけ、コーンフレークが置いてある、と仮定してみましょう。
 スーパーマーケットの側から見れば、『コーンフレークを3個販売できる』となり、それ以上の数を売ることはできません。
 もし誰もコーンフレーク3個を購入しなかったら、スーパーマーケットは『コーンフレーク3個』の不良在庫を抱えることになります。
 『コーンフレーク』にすごく人気があれば、スーパーマーケットは値段を高くすることもできます。
 でも、値段が高すぎると、人々はコーンフレークを「すごく欲しい」と思わなくなります。
 『コーンフレーク』が売れなくなったら、値段を下げて需要を喚起しなくてはなりません。
 これが、物事が単純だった時代の自然経済のありようです。

 しかしインターネット時代ではすべてが変化してしまいました。

 オンラインの音楽ショップが、ある歌を販売するときのことを考えて見ましょう。
 『ある歌』が「在庫にある」状態になったとします。
 1回その歌が売れても、在庫、つまり『複製できる電子情報』はまだ百万個以上ある、と言えます。
 でも、ネット上に表示される音楽ショップのウェブページをみれば、やっぱり『ある歌』の在庫一点分が表示されているだけです。その『ある歌』が在庫切れになることはありえません。まるで魔法のコーンフレークです。
 不良在庫の心配をする必要はありません。在庫切れの心配もありません。
 そして、『3個だけしかないコーンフレーク』のように、『数が限られている』=『希少性』も、存在しないのです。

 これは、音楽ビジネスで生計を立てていきたいという人たちにとって、全てが変わったことを意味しています。

 これまでは千枚ものCDをプレスして、200枚をプロモーションで配布し、残りを販売に充てる、という時代だったかもしれません。
 今からは、千枚のCDをプレスして、百万枚を配り(劣化なしのデジタルコピーでネット配信できますよね。百万ダウンロードに達するかどうかは謎ですが、不可能な話ではありません)、千枚をさらに販売に充てる(ネットショップで売ればいいのです)ような時代になったのです。

 『販売機会損失』という言葉が、意味を失いました。『希少性』の神話が死んだからです。
 もし、誰かがあるお店で『あなたの音楽』を買えなかったとしても、他の方法で入手可能なのです。(おそらく、それは100万人へのプロモーションのコピーの1つを手に入れることで)。
 あなたの『販売機会損失』はないどころか、リスナーを手に入れることになります。
(切身魚注:古い視点で見ていたら、新しい環境の良い要素を見過ごすことになります!)

 更に重要なのは、あなたが注目を得るということです(この言葉を覚えてますか?これは今後、非常に重要になっていきます)。

 ネットの世界において、『希少性』の神話が死んだことは、販売戦略の変化も意味します。
 少数ヒットを飛ばすより、超多数のニッチ(少数のすき間需要)を満たすべく、商品やサービスを提供したほうが良いのです。これは『5 ロングテール』でもお話したとおりです。
 もう一度要約しておきますと、『ロングテール』とはクリス・アンダーソンの文句なしに優れた概念です。これからのビジネスは『ヒット』ではなく、『テール』と呼ばれる、一つ一つの売り上げは小額でも、種類が膨大なため市場の総売上は『ヒット』を凌駕する、そんな『ロングテール』の時代になる、というものです。

 アンダーソンはこの概念をさらに推し進め、『潤沢経済』という言葉を生み出しました。
 デイビッド・ハボックは次のように解説しています。

 この『潤沢経済』の基本となる考えは、次のようなものです。
「技術の進歩により、トランジスタや、ストレージ容量、使える帯域、などのコストがゼロになった(もしくはゼロに限りなく近い形になった)」
 これにより、これまでのビジネスの基幹だった要素は、十分な量が(潤沢に)、自由に使えるものとして、広く万人に開かれたものとなった。
 そういう時代になったのだから、『会社』は自らのビジネスを、新たな視点で捉えなおしたほうがよろしい。
 かつて『希少性の時代』には、ビジネス資源は有限だった。
 しかし今では、使い切ることを恐れずに資源を利用せねばならない。『使い切る』心配は、『潤沢経済の時代』においては無用のものだ。
 『潤沢経済の時代』には、「一つのことだけする」のではなく、「全部する」必要がある。
 コンテンツは「一部」売るのではなく、「すべて」販売する。
 データの「一部」を貯蔵するのではなく、「すべて」貯蔵する。
 『潤沢経済』は「全部する」ことであり、使えないものはことごとくほうり捨てることでもある。
 『潤沢経済の時代』には「全部手に入れる」ことができる。

 『潤沢』という言葉が意味するところは、『製造手段』や『販売手段』です。製造販売のツールが極めて幅広く提供されました。
 私たちは理想的なメディアの世界に生きているわけではありません。すべてのメッセージや情報は平等に注目される、とかそんなことはないのです。
 しかし、私たちの大半は、物事のバランスは適切に保たれながらおおむね正しい方向に動いている、と考えています。

 放送事業を例にとりましょう。放送事業の『ビジネス資源』は、希少性の死を迎えました。
 周波数域には『希少性』がありますから、これまでラジオやテレビの放送事業者になれるのは大企業や政府、公共機関に限られていました。(あるいは『海賊』、『犯罪者』に限られていました。20世紀には『海賊放送』『電波ジャック』などの犯罪行為があったのです。)
 ストリーム放送を『ラジオ』と定義していいものかどうか?はさておき。現代のネットラジオは、これまでになかったほどの帯域がある、と言えます。
 オンラインには『スペース』が潤沢にあり、参入に要するお金は(これまでの放送事業者になるために必要だった金額に比べれば)ほんのちょっとで済みます。
 一つの町に、FM局は最大で何局存在できるでしょうか?おそらく50かそこらです。
 一つの町に、オンラインのストリーム放送なら、最大何局でしょうか?
 実質『無限大』に潤沢なのです。
 (切身魚注:ただし、時間とコストをかけてストリーム放送をしよう、という人数は有限です。また、リスナーの数と時間も有限です。
 このことを忘れて『潤沢経済』なんて言葉の夢に勇気付けられてると、痛い目を見ることでしょう。)

 オンラインの世界では『潤沢』にいろいろなものが提供されます。しかも『潤沢』さ、選択肢の多さは増え続けています。
 56kbpsのモデムは当時革新的なアイテムでした。ギガビットLANが標準の現代では、考えられないほどの低速モデムです。
 イーサン・ズッカーマンがオンラインのメール容量についてこう記しています。

 ハードウェアの容量は飛躍的に増えた。Gmail(Googleが提供するオンラインのフリーメールサービス。取りやすく捨て易いので、アクセス時の遅ささえ我慢できれば、大変優秀なスパムフィルタを備えたサービスです。)がユーザーに提供する容量は2GB。
 Hotmailはたった2MBだった。
 あなたがたは
「メールボックスがいっぱい?それって何」
 というだろう。

 さらに、マイケル・ゴールドハーバーは次のように指摘しています。
 オンライン経済の基盤は、サービスや商品の『希少性』から、『注目を集める』ことを重視する経済へと変化しつつある、と。
 作者注:注目(attention)を集める、という言葉がまた登場しましたよ!

 製品やサービスが不足することはないため、アテンションがオンラインでの成功のための基盤となります。しかし、これはお金がその方程式に含まれていない、ということを意味するものではありません。

…現在、お金はアテンションと共に流れています。これともっと普遍的な言葉に直すと、経済学の転換が生じているときには、これまでの富が新しいものを手にした人々のもとにいとも簡単に流れていく、ということです。

 Google社が15億ドルを費やしてYouTubeを買収したのは偶然ではありません。DoubleClickの買収にその倍の額を出したことも、偶然ではありません。
 お金はアテンション(注目)に流れ込みます。YouTubeもDoubleClickも、彼ら自身が何かしら『お金になるコンテンツ』を生み出しているわけではありません。
 ですが多くのアテンション(注目)を生み出しています。
 Googleがそれ自身で富を生むのではなく、最もアテンションを引き寄せ、『よく見られているサイト』でもあります。

 いうまでもありませんが、お金はネット閲覧に目や耳が使える人のポケットから自動的に飛び出してくるわけではありません。
 Rishab Aiyer Ghoshは『ただの経済は死んだ!これからは長命な経済だ!』という記事の中で、上記のような指摘を書きました。もっと詳しくお知りになりたい方は、彼の記事を読むといいでしょう。(The Attention Economy and the Net, M. Goldhaber, First Monday (2:4), 1997 http://www.firstmonday.org/issues/issue2_4/goldhaber/
 彼の立場を端的に言えばこういうことです。
「うん、実際のところ、世のありようは、ただ『経済』という言葉だけで表現できたものより、もっと複雑化しているんだよ」

 これこそ読むべきものです。私が15歳だったころの学習内容はさておいて、やはり『経済』とは大事なものです。あなたが活動しようとする経済環境がどういう場所か理解していれば、あなたは音楽業界でうまく生き残りれます。これは他の業種にも共通していえますね。

 この後の『サーチエンジン』の節で、アテンションの集め方については説明しましょう。現時点では、『希少性の死』についての短い考察と、それがあなたの生業にどう関わってくるかの分析を行いました。
 忘れないでいただきたいのですが、あなたは音楽の流出や、サービスやグッズの品切れを心配する必要は無いのです。それはあなたの気にするべきことというより、顧客の気にする話です。

 このテーマについては、TechDirtのサイトにとても良い連載がありますので、一読をオススメいたします。


 このように私家訳しまして、私は人間の持てる時間の有限性と、『飽くことなく理想の情報を求めて調査することに、皆いつかどこかで限界に達する』ことを考えさせられました。
 人間に許された活動時間は有限です。
 そのなかでも、ネットワークに接続し、的確に欲しい情報を得てその情報を活用できる時間は限定されています。
 知恵袋やQ&Aサイトがこれほどもてはやされるのは、『情報洪水』のなかで『飲み水が欲しいひと』の数が減らないことを意味しています。
「『泥水』はいらない。『湯』もいらない。浄水器やろ過沸騰なんて、面倒なことはしたくない。とにかく『飲み水』をくれ」
 この怠惰なユーザーは、少し前の節に出てきた消費者心理に通じるところがありますね。全ての情報が、全ての人々にとって有益で、『浄水処理済み飲み水』として提供されているわけではありません。
 そのなかから必要な情報を探そうとするなら、何処かで妥協や停止線をひきながらやりくりせざるを得ないでしょう。
 20世紀の1200Bpsモデム時代からネットに触れていたような人間からすれば、
「そのくらいGoogle検索しろよ」
 で終わる話が終わらない。
 未熟なネットリテラシーでウェブに飲み込まれ、おいたや犯罪をやらかしたり、逆に巻き込まれたりする人は後を絶ちません。これからも絶つことは無いでしょう。
 『潤沢経済』や『ロングテール』は、理論家にとっては面白い概念ですが、一消費者からすれば
「分散しすぎた選択肢は、選ぶことそのものが疲れの元」
 なのです。
 未熟なネットリテラシー世代はこれからも生まれ、参入してくるでしょう。彼らは最初から、『取捨選択が面倒くさいときは何も買わない』主義かもしれません。あるいは私がやっているように、『細い糸口からの情報以外、非・生存必需品はチェックすらしない』という情報流入コントロール主義かもしれません。

 情報流入コントロール主義とご大層な表現ですが、実を申しますと、私はVOCALOID関連の曲や動画を自発的にチェックして回ったりすることがほとんどありません。
 音楽を聴きたくなったら、iTunesストア(海外)とKarenTをチェックします。検索で見るのは『既に曲を知っているアーティストの作品』です。
 友人、知人のあまり多すぎない日記で紹介された動画や曲なら、初見でもチェックすることがある。コラボ相手の動画や曲もまた、しかり。
 その程度です。そのかわり、初見チェックで面白いと思ったものあらば、関連する動画にも足を伸ばします。

 私の時間は有限で、分散したレーベルサイトや、個別アーティストサイトにいちいちブックマークはつけません。Operaのブックマーク管理は『一画面の縦サイズに収まる件数』しか入れない主義です。
 そもそもレーベルサイトといい個人サイトといい、どうしてああも数年単位でころころ移転するのか、謎です。
 真面目に、腰をすえてビジネスをしようというのなら、『気が付くとblogになっていた(しかも検索性が悪い)』、『気が付くと404だった』『黒背景に、七色に輝くアニメーション文字』サイトの何処に、信頼性や堅実さが見出せるのでしょうか。そういうところに個人情報を預けたくありませんね。
 ゆえに、私はレーベルサイトや、個別アーティストは、よほどの愛着が無い限りブックマークしません。
 Google検索やAmazonで引っ掛けられなくなったらあきらめます。アクティブでない、ミイラの寝ている棺おけみたいなサイトに御用はありませんからね。
 サイトはアクティブで、特別な愛着をもてるコンテンツがなくては!
 そう考えながら、自分のサイトのトップ画像は3-4日おきに入れ替えるようにしました。これも地道な営業活動の一つです。
 このAndrew Dubber氏の記事は、時間を割いて読むに値する記事でした。第12節以降も興味深く拝読してまいりたいものです。
 完全に、全部の英語ニュアンスを正確に、違和感ない日本語に翻訳することは困難です。(だからこそ、プロ翻訳者は凄いものですし、お金がもらえる職業なのです)
 ココではあくまで、私の理解できた意味をご紹介してまいりたいものです。
 ゆるりとお楽しみくださいませ。
 人生の楽しみは尽きませんのぅ!はっはっはっはっ。

参考リンク先にて無料のPDFファイルを配布中。

著者: Andrew Dubber 原文英語 他
原典:The 20 things you MUST know about music online
http://www.newmusicstrategies.com/ebook/

もっと正確な日本語訳 heatwaveさんのブログ
http://peer2peer.blog79.fc2.com/blog-entry-1427.html
http://peer2peer.blog79.fc2.com/blog-entry-1624.ht
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2010年02月08日

『10 プロフェッショナリズム』

 こんにちは、猫耳DMことVOCALOIDな界隈では切身魚の人です。
 Andrew Dubber氏の無料e-booksで配布されている著書、『オンライン音楽について知っておきたい20のこと』(原題"The 20 Things You Must Know About Music Online"
)は大変知的に刺激を受ける良い論文です。
 20個ほどの、優先順位はないのですが、いずれも重要な『オンラインでの音楽ビジネスについて、知っておけ!』なお話が収められています。
 私が今日読んでみたのは9番『クリックは最小限に』です。本当に読みながら「うんうん」と首肯することしきりでした。
 正確で、実用新書のように論理的な日本語訳はheatwaveさんのブログでご覧いただけます。より理解を深めたい方はぜひご覧下さい。
http://peer2peer.blog79.fc2.com/blog-entry-1427.html
http://peer2peer.blog79.fc2.com/blog-entry-1624.html
 ここでは私の意訳を交えた引用つきで、その内容を少しご紹介いたしますね。以下の()内は私の注釈です。

 オンライン、オフラインどちらが主であれ、あなたが音楽で生計を立てようと思うなら『適切なプロフェッショナル』で居なくてはなりません。
 ウェブ上であなたは印象をコントロールできます。『さあ、仕事をしましょう』という感じを与えることが出来ます。

 恐ろしく印象深いオフィスを構える必要はありません。オフィスそのものを必要としないかも知れません。
 ですが、ビジネス名刺は持ち歩きましょう。メタルバンドのドラマー、音楽出版社、音楽教師、小売業者、マネージャーでもコンサート業者(切身魚注:原語でのRoadieは、音楽コンサートのツアーに同行して、ステージ設置や備品管理を行う業者のこと)であっても、です。あなたは、一緒に仕事をしようという人、あるいは仕事できる可能性がある人に偶然出会うかもしれません。そんなとき、あなたの名刺がなければ思い出してもらえませんし、認識してもらえないのです。
 一般的に、あなたがリアルで対面した相手には『会社の代表』という印象ではなく、『あなた個人』の印象を与えることになります。
 ところがオンラインでは事情が違います。特にウェブサイトを通じて『個人』の印象を与えてはいけません。サイト訪問者があなたをどう思うか、は、オンラインであなたを知ったときの情報に左右されるからです。
 あなたは現実的で、信頼に値し、長期的な展望を持った人物です。
 という印象を与えようと思うなら、以下のようなことを考えておくべきです。

1.印象がすべてです
 あなたの残す印象は、いずれにせよあなたの現実生活に支えられていなくてはなりません。ですが、現実のあなたの状態を厳密に描写した情報をウェブサイトに載せろ、という意味でもありません。
 もし実際に十分な資産があるなら、与えたい印象どおりの環境を、現実に整えるのが一番かんたんです。オンラインで『印象』を作り出し、印象どおりに資金をPRすればよいのです。
 あなたはご自分が『お金を使ってもらうに値する』と知っています。ですが他の人にも『そう』思ってもらわねばなりません。

 ばかげて聞こえることは承知のうえで申します。
 あなたが夢見ているこの手の成功のためには、まずそういう印象を押し出すことです。すると世界は自らをそうした成功者の『印象』に合わせて、現実を作り変えます。世界は矛盾を好まないのです。
 もっと他の、『成功者の法則』的大言壮語でない表現をすればこういうことです。
 しかるべき人数の人が信じれば、物事は『そう』なる、のです。
 端的に言えば、『そうなるまでは、そういうフリをせよ』ということです。

2.最適なドメインネームを持つ

 以前私は、『ウェブサイトのドメインネーム選びでやりがちな間違い』について記事を書いたことがあります。もっとも重要なことは、数ポンドでもドルでもユーロでもきれいなビーズ玉でもいいから費やして、ドメインネームを最初に得ることです。
(切身魚注:原語ではshiny beads。入植時代のアメリカ大陸で、西欧人は原住民との貿易にお金やそのほかの正当な対価ではなく、きれいなビーズ玉と引き換えにさまざまな貴重品を手に入れていました。相手が価値を知らないからといって、不公平貿易をしていたのです。文中では冗談めかした表現として用いられています)
 最安でビール1杯分のお金があれば、今あなたが使っている無料ホスティングサービスに独自URLを使えるようになります。(この原稿が書かれたのは結構前のことです。この頃の無料ホスティングサービスは、自動割り振りのユーザーIDがそのままドメイン名となり、自分で設定した文字列をドメイン名としてURLに載せたければ、有料でオプションを選択する必要がありました。今ではありえない手間賃の搾取ですね。)
 さらにCD数枚分のお金を上乗せすれば、無料ホスティングサービスを脱出して大人のウェブサイト、完全なる独自ドメインを入手できます。(この原稿が〜以下略)

3.カラーパレットにも気を配る

 筆者は赤緑色盲です。この障碍は地球上の男性の40%が抱えていますが、ほとんどの人はそれに気づくこともありません。ですが『サイトの配色とサイトの内容の一致』に気を配り、『メッセージを送るとき、違う色を使う』意味を考えておくことは重要です。
 パンク音楽のページにパステルカラーを使うつもりはないでしょう。ですが『いつも』黒地に白文字と、アクセントに赤を使わねばならないのでしょうか?
 私は配色に大変役立つページを見つけました。(切身魚注:この原稿が書かれたのは結構前のことです。現在は"color matching"でGoogle検索すれば、Adobe kulerを筆頭にさまざまなお役立ちサイトが出てきます。中には赤緑色盲やその他色覚障害に対応した配色の自動表示サイトもあります。)
 家具の一つ一つに視線を誘導するインテリアデザイナーになる必要はありません。専門知識を身につける必要はありません。
 私はここNew Music Strategiesの配色にサンドストーンを用いました。お気に召しましたか?

4.MySpaceはウェブサイトの代わりにならない

 これについては何度言っても足りないくらいです。ウェブサイトの代用にMySpaceを使うつもりなら、あなたはゲームに参加してすらいないのです。

 かつて私は『MySpaceにページを作るとき、やらかしがちな5つの間違い』という記事を書きました。
 その記事内で、「MySpaceはウェブサイトの代わりにならない」はいの一番に書きました。MySpaceはプラス面よりもマイナス面のほうが大きいのではないか、と今では疑い始めています。
 それでもあなたがMySpaceにページを持つのなら、MySpeceはパブのようなものだと考えるとよいでしょう。パブに出かけていって、人に会い、社会的なつながりを築き、情報交換を行います。
 そしてこの相手とはビジネス出来そうだと思ったら、あなたの『オフィス』に連れて行くのです。この場合『オフィス』とは、あなたのとってもプロフェッショナルなウェブサイトに、ということです。

5.綴りを学びましょう

 本気ですよ。
 コレは重要なことなのです。
 文法が印象を左右します。アポストロフィー一つとっても大問題です。

 もちろん、言葉は生きていますし、生きた言語というのは日々変化しています。
 ですが、『affect(動詞、何かに影響を与える、の意味)』の代わりに『effect(名詞、結果や影響そのものの意味)』を用いたらどうでしょうか。
 『your(所有格、あなたの〜)』の代わりに、『you're(you areをアポストロフィーで短縮形にしたもの。正式文書では使わない、くだけた表現)』を用いたらどうでしょうか。
 あなたはあたまのわるい人に思われてしまいます。
 うちの顧客はこんな細かいことをキニシナイ、と思うでしょうが、あなたにお金をくれるのは『既存顧客』だけではないのです。文字コミュニケーションにしかるべき配慮ができないなら、あなたは怠惰な人であり、信頼できない人物なのではないでしょうか。
 私は大学講師です。ですから大抵の人よりも文章作法に厳しいのは事実です。
 ですがあなたはビジネスをしようというんですよ?文章作法程度のことは出来て当然です。
 もし行き詰ったときは、Grammar Girlがいつでも助けになるでしょう。

6.高品質の写真を使いましょう

 写真撮影はプロの技術です。写真撮影という工芸に人生を捧げた人は、常にスタイルを発展させています。ご自分の音楽サイトに写真が欲しいなら、(ヒント:自分で撮影する)、自分のすべきことを心得ている人を探しましょう。
 携帯で撮った貧弱なスナップや、安物のデジカメで撮った写真は役に立ちません。最初からプロカメラマンに依頼するような余裕はないかも知れませんが、アマチュアカメラマンレベル以上の技術を持った人を上手く利用することは出来ます。業界に足を踏み入れたばかりで、実績を積もうという人なら、音楽サイトの写真撮影もやってくれるかもしれません。

 才能あるカメラマンを探すなら、一つにはFlickrをあさるといいでしょう。あなたの町や、音楽のタイプで検索してみるのです。
 また、ストックフォトサイトも、著作権フリーで使える有料写真の宝庫です。Flickr同様、探してみる価値があります。

7.デザインを理解している(コード書き屋ではなく)ウェブデザイナーを探しましょう

 他の人のウェブサイトを見渡せば、自分のウェブサイトの改良アイデアがわいてくることでしょう。
 ですが忘れないでいただきたい。ほとんどのウェブデザイン業者は『まず』コード書き屋であり、『次に』ウェブデザイナーでもあるのです。
 単価が安ければ安いほど、この原則は事実になる可能性が高まります。
 しかしながら、ウェブデザインとは単に見栄えだけの問題ではありません。ユーザーインターフェース、アクセサビリティー(情報へのアクセスしやすさ)、サーチエンジン対策も意味します。
 それ以外についても後ほどお話しますが、ウェブサイトを発注するとか、手直しするとか、更新したり、全面改修するとか、スリムアップするのでしたら、人選は大事です。CSSやPHP,MySQL,XHTML.PythonやDreamweaverのボタンはどれを押したらいいかなどを理解している人を選ぶのは当然のことです。
 もし誰かがMicrosoft Front Pageなどと言おうものなら、にっこり笑ってそっと後じさりましょう。その人はコード書き屋であって、ウェブデザイナーでは『ない』可能性が大です。

8.あなたのウェブサイトはパンフレットではありません

 あまりにも多くのビジネスが失敗するので、この節は以下の重要な教訓で締めることにしましょう。

『あなたのウェブサイトは、ビジネス用の電子パンフレットではありません』

 ウェブサイトはビジネスのプロモーションではないのです。あなたのビジネスを作り出す手段なのです。
 言い換えれば、ウェブサイト『が』ビジネスなのです。

 このように私家訳しまして、私は大きく分けると2つのことを考えさせられました。
 一つめはとてもシリアスで、人間関係の根幹に関わる話です。
 それは趣味の活動(ただしいずれは対価を得ることも視野に入れた)ウェブサイトの構築について、です。真剣に考えさせられました。ある意味で、人生から得た教訓の再確認作業でもありました。
 この論文で論じられているのはあくまで、音楽の小規模ビジネスをオンラインで行うための手引きであり、啓発です。
 私や、私と似たような『社会人だけど、対価を得る方法を趣味の延長線上で考えている』人の活動とは、区別して考えたほうが良いのです。

 なぜこのようなことを書くか、にはそれなりの理由があります。
 同人界に頭のてっぺんまで漬かった人生を歩んでいますと、
「世の中には自分の欲望のために、他の人の言葉を逆手にとってゴリ押ししたりする人が居る」
 ということを学ぶものです。
 また、
「他人の言葉や行為の裏を勝手に深読みして怒ったり、嘆いたり、苦しんだりする人がいる」
 ということも学びます。
 さらに、
「自己流解釈を相手に押し付けて、何か(相手がしたくないと思っている)行為を
(特に無償で)させようとする人がいる」
 ことも学びます。
 ウェブでも何のメディアでも『プロフェッショナル』という言葉を用いると、何故か上記のような『困った考えを押し付ける人』を引き寄せやすいのです。
 36年の人生の大半を超マイナー趣味に偏ったオタクとして過ごしてまいりましたが、実体験に基づいて申し上げましょう。
 リアルでもオンラインでも、困った人は『プロ』や、信念、善意に満ちた言葉を語る人が大好きです。彼らにとって、『プロ』を名乗る人物は、(根拠はまったく不明なのですが)どんな無茶振りやつまらない、嫌な、横暴な要求でも笑顔で聞き入れて、断ることなど論外なほど仕事に飢えている、と認識されているのです。
 信念や善意を表明する人は、言葉や文章を『困った人』に利用されないよう、どんなに気をつけても、やりすぎるということはありません。
 男性だろうが女性だろうが、この手の『困った人』からは敬意を保ちつつ、距離も保つことをお勧めいたします。笑顔で後じさりどころか全力疾走、さっさと逃げ出しましょう。相手が立腹して汚くののしろうが、断固として無視しましょう。
 あなたがやろうとしていることは『趣味の活動』なのです。
 『本気で』取り組む、という表現は、『嫌な相手の嫌な振る舞いに、歯を食いしばって耐え、ストレスを溜めながらお付き合いする』ことではありません。そんなのは仕事の場だけで十分ですし、仕事においてすら、我慢が出来なければ離職することだってあります。
 いわんや、趣味の活動をや。
 物事には限度とバランスがあります。
 あなたには『自分の人生をコントロール』する権限が有りますから、どこに限度を設定し、どのようにバランスをとって周囲の趣味を同じくする人たちと関わっていくかは、『自分で決める』ことです。
「暑さに我慢できないなら台所から出て行け(If you can't stand the heat get out of the kitchen)」
 という、ビジネスの慣用句がございます。
 が、『暑さに我慢できるか、出来ないか』を『決めるのは自分』の価値判断です。結果を『引き受けるのは自分』の責任です。あなたに何かさせようとする『他の人の望みや都合』ではございませんし、彼らがあなたの精神的苦痛や、失われ行く人生の貴重なひと時を埋め合わせしてくれたりは『しない』のです。
 『趣味でやっていること』でまで、何かにつけて困らされる相手に『ことごとく』合わせてあげないといけないのなら、この世のどこに羽を伸ばせる場所があるのでしょうか?
 『困った人たち』は、自分の望みのために、他人の人生を『きれいな言葉』や『匿名の中傷』でコントロールしようとします。
 彼らは
「そんなことは、約束違反ではないか。あなたはもっと、信頼できる人だと思っていたのに!」
 とか言います。彼らが本当に言いたいのはこういうことです。
「追加でコレもやって欲しいんだー。最初にはっきり言ってなかったけど、確認しなかったアンタが甘いんだよ。これも人生の教訓ってやつさ」
 このように困った人の事例には事欠きません。何度書いてもネタが尽きることなく、バリエーションも様々です。ですのでこの辺でやめておきます。もう十分でしょうから。

 2つめは、『ウェブサイトのデザイン』や『プロっぽい印象を持つこと』を活動の主目的にしてはならない、という教訓です。
 ビジネスサイトの構築について、以前読んだ新聞のIT関連連載にはためになる警告が載っていました。
「サイト構築と運営は、経営資産の30%程度を費やすにとどめなさい」
 経営資産。それはお金、時間、労働力です。本来の事業活動を大きく損なうほど、サイト運営に資産を費やしてはいけませんよ、ということです。
 同じことは他の活動のサイト運営にも当てはまるなぁ、と感心したものです。もちろん、楽しみのための活動、音楽や創作物を小規模に、非営利だけど金銭のやり取りが発生する『有償非営利』でやり取りする活動にも、当てはまります。
「自分の行いたい活動は何だろうか?
 それを気持ちよく行うために、サイトの更新やメンテナンスを行うのだ。
 ウェブサイトのデザインを100%きちんとしていれば、ダウンロード売り上げが右肩上がりになるものではない。
 MySpaceの書き込みさえ毎日維持していれば、お金を払ってくれるリスナーが増えるわけではない。
 時間と労力は有限だから、何をどこに、どれだけ費やすか良く考えよう。考えることそのものにも限度を設けよう。」
 このAndrew Dubber氏の記事は、時間を割いて読むに値する記事でした。第11節以降も興味深く拝読してまいりたいものです。
 完全に、全部の英語ニュアンスを正確に、違和感ない日本語に翻訳することは困難です。(だからこそ、プロ翻訳者は凄いものですし、お金がもらえる職業なのです)
 ココではあくまで、私の理解できた意味をご紹介してまいりたいものです。
 ゆるりとお楽しみくださいませ。
 人生の楽しみは尽きませんのぅ!はっはっはっはっ。

参考リンク先にて無料のPDFファイルを配布中。

著者: Andrew Dubber 原文英語 他
原典:The 20 things you MUST know about music online
http://www.newmusicstrategies.com/ebook/

もっと正確な日本語訳 heatwaveさんのブログ
http://peer2peer.blog79.fc2.com/blog-entry-1427.html
http://peer2peer.blog79.fc2.com/blog-entry-1624.html
 
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