2010年05月13日

『17  報酬と動機づけ』

 こんにちは、猫耳DMことVOCALOIDな界隈では切身魚の人です。
 Andrew Dubber氏の無料e-booksで配布されている著書、『オンライン音楽について知っておきたい20のこと』(原題"The 20 Things You Must Know About Music Online"
)は大変知的に刺激を受ける良い論文です。
 20個ほどの、優先順位はないのですが、いずれも重要な『オンラインでの音楽ビジネスについて、知っておけ!』なお話が収められています。
 私が今日読んでみたのは『17 報酬と動機づけ』です。本当に読みながら「うんうん」と首肯することしきりでした。
 正確で、実用新書のように論理的な日本語訳はheatwaveさんのブログでご覧いただけます。より理解を深めたい方はぜひご覧下さい。
http://peer2peer.blog79.fc2.com/blog-entry-1427.html
http://peer2peer.blog79.fc2.com/blog-entry-1624.html
 ここでは私の意訳を交えた引用つきで、その内容を少しご紹介いたしますね。以下の()内は私の注釈です。

 インターネットには大量の選択肢がある、という現実を直視しましょう。あなたが何を作り、提案するとしても、他所ではまた他の人が、同じかそれ以上に素敵なものを作り、提案しているのです。

 以前にも触れましたが、人々は「音楽を聴いてから、好きになる」のです。
 受身の姿勢で『聴いてもらうのを待つ』段階からステップアップしましょう。次の段階に移る必要性を理解すること、それこそが肝心なのです。
 あなたは「聴いて、好きになって、買う」の間にある摩擦を取り除かねばなりません。

 人々はあなたの音楽を好きになる(かも知れません)。
 彼らは熱烈なファンになる(かも知れません)。
 ですが、彼らは情報弱者ではありません。地理的要因にも時間的要因にも縛られないのです。あなたの音楽という『檻』に閉じ込めておける視聴者ではないのだ、ということをよく肝に銘じておいてください。
 あなたがバロック室内楽専門の小売業者だったり、バングラ奏者だったりしても、あなたはもはや「街に1人だけの存在」として、独壇場を手にすることはできません。

 あなたは人々に、「あなたを選ぶだけの理由」を与えねばなりません。動機づけというのはそういうことです。

 近年のmp3ブログでは、ストリーミング放送のラジオや、オンデマンドサービス(聴きたくなったら何時でも聞けるサービス)を用いて、30秒の低音質サンプルを提供しています。
 ですが、それらは動機づけとして有効に作用していないようです。
 こういったサンプルでは、人々があなたの音楽を好きかどうかを判断するには全く足りませんし、現在では失笑ものですらあります。

 実際、それは役に立たないどころか、悪影響すら及ぼします。30秒間(または1分間)の低音質サンプルは、あなたをしみったれたケチで胡散臭い人物に見せてしまいます。全ての楽曲をフルサイズで提供する必要はありませんが、アルバムごとに数曲はフルサイズ視聴可能にするところから始めてみましょう。

 これは、過去にあなたの音楽を買ったことのある視聴者に大して、大変意味あるアプローチです。
 過去の購入者だけでなく、他の金銭のやり取りで関係したことのある人も含まれます。(他の金銭のやり取り方法については、あなた自身のビジネスモデルで置き換えてお考えください)
 贈り物、報酬、動機づけこそが、継続してあなたにお金を出すという『選択』を促す力を持つのです。

 ここで言う贈り物、報酬、動機づけは、楽曲でなくてもかまいません。
 着信音、着うた、壁紙、イベント先行予約といった特権、ディスカウントなどの人気のギフト/動機づけは、興味を持ってくれた一見さんをリピーターに変えてくれるツールです。

 また、購入者/視聴者を『何かの一員』であると感じさせることも、最高の報酬ともなります。ムーヴメントの一員、一体感、つまり『メンバーシップ』それ自体が報酬となるのです。

 ミュージシャン、レーベル、小売業者、プロモーター、会場運営、その他どんな形で音楽ビジネスに携わっているのであれ、購入者/視聴者を『巻き込み』ましょう。
 購入者/視聴者を『巻き込む』手段として、ウェブサイトへの参加をうながすことがあげられます。
 いわゆるフォーラム、あるいはもっと良い形として『blogグループ』は、あなたが作るもの、することについてのコミュニティを形成できます。
 そこでは「あなたが何か作ったり、したり」すれば、すぐにコミュニティが反応し、活動それ自体で一つの生命となることでしょう。

 ですがお気をつけください。
 クリティカル・マス(切身魚注:臨界質量。ここでは、『ものごとが普及・定着するために必要な人数』の意で用いられています。)に足りない場合、コミュニティはどちらかというと荒れ地じみたものになってしまいます。
 そうなれば、あなたは単にJonny-no-mates(友達のいない奴)のように思われてしまうかもしれません。
 臨界質量に達した核物質に、外部から刺激を与えて核分裂反応を起こさせるように、人の集まったコミュニティ活動を動き出させるための『理由』を、あなたが与える必要があるのです。

 報酬、そして動機づけ。経済の因果応報を、あなたも楽しんでみませんか。


 という風に、私家訳したあと、ムーブメントの『盛り上がっている感じ』『一体感』はほんとうに大事なことを痛感いたしました。
 VOCALOIDの界隈に限らず、「俺達はエッジなところで楽しんでる」とか、「何々はワシが育てた」といった感じを持ちたいという気持ちは、誰にでもある感情なのです。
 UKの人とお話しすると、「シェイクスピア劇の伝統はワシらが育てた。自分も現在進行形で育てている(キリッ」という『文化的自負』を感じます。
 また別のジャンルのお話なのですが、「うちらってマニアックだよねーw」「馬鹿だとわかってても止められんのよ」と言い合うのがやたらと楽しく感じられたりするあまり、実は大して価値がなくてもはまってしまうモノ、コトもございます。(できるだけ健康と周囲への被害の少ないモノ・コトでありますように)
 今回は、インセンティブという語を、心理学で言うところの『社会的動機づけ』という感じで翻訳しました。
 心理学とは、ある意味において「皆が当然のものとして認識している心の働きを、小難しい用語で分類レッテル貼りして再分析したもの」ですので、学者や学派によって大変語義解釈に幅があります。ですので、厳密な心理学用語としては用いておりませんこと、ご了承くださいませ。

 自分の身近なお話で申し上げれば、SNSやTwitter、Skype、blogのゆるやかな連合体による情報共有は、現在のVOCALOIDに限らないネットワーク上活動の一側面です。
 即応性、即時性の高い活動はTwitterやストリームで。
 継続性、時間制約のないやりとりはSNSやblogで。
 両者の中間として、Skypeを応用する。
 何処か一箇所だけに片寄ると、とたんに胡散臭い人、あるいは「コミュニケーション方法に偏りのある人」に見えてしまいます。
 たとえばオフ会にお誘いされましたら、わたくしの場合、そのお相手のblogやSNS記事を読みに参ります。既存の活動実績や、精神的な傾向、興味の向いている方向などを知りたく思いますからね。
 平たく言えば、「興味が出た」ということです。
 blogやSNS記事が無い。
 あるいはあったとしてもごく少数。
 あるいは「自分が伝えたい物事」しか書いていない。
 という場合は、その人の人となりが「記事の書き方」に現れているのだ、と解釈できます。
 念のために申し上げておきますと、『解釈』はしますが、それは『人物評価』や『人物への理解』とはまた別物です。そもそも、他人に対して「距離感の無い人に対する自衛の方策を立てる」ことはすれど、価値判断はしない主義です。
 一方、Twitterやストリーム放送は、『時間の共有』には良いコミュニケーション技術なのですが、『社会人にそんな無茶を要求すんな』という人や、『生活時間帯が違う人』だって多数存在します。
 『時間的制約のある人』のことを棄却したコミュニケーションばかり重視する人ならば、その人の人となりが「コミュニケーション手段の用い方」に現れているのだ、と推察できます。

 継続性、時間制約のないやりとりがSNSやblogというのは奇妙な表現に感じられるかもしれません。
 それはこういう意味です。
 先のオフ会の例を続けて用いましょう。
 「あなたがこれまでにコミュニケーションを密にとっていなかった人」のことを知りたくなったら、時間の制約を気にせず、お相手がつぶやいたりしてなくても『相手の考えていること』を知りたいと思うでしょう?
 そして、時系列でたどれるサイト記事やblog、SNS日記は、そんなときたいそう便利です。
 「初めて知る相手」であっても、お相手の時間を束縛することなく、知りたいと思うだけ時間を費やして読むことが出来ます。
 だからこそ、SNSやblogの記事を書くに当たっては、『この記事で、初めて貴方のことを知る人』の存在に注意すべきなのです。

 もちろん、昨今の『無名の悪意』、匿名性に誘発された人間性の悪しき一面が、人類のコミュニケーション方法を大きく変えていることも忘れてはおりませんよ。
 わたくし自身とて、本当に個人的なblogは『日記』と称してコメントを書き込めないようにしてあるくらいです。
 人類のコミュニケーション方法は大きく変わってしまいました。
 ゆがめられた、と表現しないのは、匿名性ゆえの利点も、不利な点に圧倒され気味とはいえ確かに存在するためです。この利点がDPI技術のなし崩し導入など(利用者視点を踏まえたICTサービスに係る諸問題に関する研究会」第二次提言など。理由はこちらで詳細に論じましたのでここでは割愛いたします。 http://magiusinfi.exblog.jp/13278419/)で消えてしまわないよう、私たちは自律的市民としての振る舞いを自ら鍛錬せねばなりませんね。
 
 『17 報酬と動機づけ』のお話は、現時点ではこうした意味においてためになる内容でした。今後、さらに加速しそうなCGMやSNS活動において重要になってくると思います。
 第18節以降も興味深く拝読してまいりたいものです。
 完全に、全部の英語ニュアンスを正確に、違和感ない日本語に翻訳することは困難です。私の翻訳は、文法的な正確性は当然のものとしたうえで、日本語として意味が伝わりやすいように、語の前後を置き換えたり、文を分けたりしていますこと、ご理解ください。(だからこそ、プロ翻訳者は凄いものですし、お金がもらえる職業なのです)
 ココではあくまで、私の理解できた意味をご紹介してまいりたいものです。
 ゆるりとお楽しみくださいませ。
 人生の楽しみは尽きませんのぅ!はっはっはっはっ。

参考リンク先にて無料のPDFファイルを配布中。

著者: Andrew Dubber 原文英語 他
原典:The 20 things you MUST know about music online
http://www.newmusicstrategies.com/ebook/

もっと正確な日本語訳 heatwaveさんのブログ
http://peer2peer.blog79.fc2.com/blog-entry-1427.html
http://peer2peer.blog79.fc2.com/blog-entry-1624.html
ラベル:20のこと
posted by 切身魚(Kirimisakana) at 22:56| Comment(0) | 20のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月28日

『16 アクセシビリティ』

 こんにちは、猫耳DMことVOCALOIDな界隈では切身魚の人です。
 Andrew Dubber氏の無料e-booksで配布されている著書、『オンライン音楽について知っておきたい20のこと』(原題"The 20 Things You Must Know About Music Online"
)は大変知的に刺激を受ける良い論文です。
 20個ほどの、優先順位はないのですが、いずれも重要な『オンラインでの音楽ビジネスについて、知っておけ!』なお話が収められています。
 私が今日読んでみたのは『16 アクセシビリティ』です。本当に読みながら「うんうん」と首肯することしきりでした。
 正確で、実用新書のように論理的な日本語訳はheatwaveさんのブログでご覧いただけます。より理解を深めたい方はぜひご覧下さい。
http://peer2peer.blog79.fc2.com/blog-entry-1427.html
http://peer2peer.blog79.fc2.com/blog-entry-1624.html
 ここでは私の意訳を交えた引用つきで、その内容を少しご紹介いたしますね。以下の()内は私の注釈です。


 誰もがハイスペックのコンピュータや、高速なネット回線を持っているわけではありません。みなが神より視力を授かっているわけではないのです。
 オンラインでは、全てをアクセス可能にしなければなりません。

 以前にも触れましたが、ここで改めて言っておきましょう。
 意味のないランディングページ(最初に訪れるページ)ほど、私を苛つかせるものはありません。まどろっこしいアニメーション、長ったらしいロード時間、『Skip Intro(イントロをスキップする)』リンクなどがあるようなページは特にそうです。
 そんなものをウェブサイトに訪問する度に見せつけられるのであれば、私の不快感は劇的に増大し続け、おそらく、そのサイトを訪問することはなくなるでしょう。

 当然の帰結として、私がそんな環境のサイトにお金を落とす可能性は、『ゼロ』です。

 もし、フロントページに『Skip Intro(イントロをスキップする)』リンクを設置しなくてはならないのなら、最初からイントロなど無くすべきです。
 私もあなたの無意味なFlashショーで時間や帯域を無駄にせずに済みますし、あなたもそれにかかるコストを浪費する必要もなくなるのですから。そんなものがあることでハッピーになる人といったら、あなたがお金を支払うウェブ・デザイナーくらいなものです。

 私が気難しいのはあなたのせいではありませんが、そもそもの問題はそんなことではありません。大容量のFlashアニメーションをウェブサイトに置くことは、サイトの入り口に屈強な用心棒2人を立たせておくようなものです。彼らは「おい、その靴じゃあ入れられねぇなぁ。」と最新機種のコンピューターを持ってない人全員に言い放つわけです。
 すなわち、ハイスペックなPCとブロードバンド接続を必要条件とした、アクセシビリティ(アクセスしやすさ)の低いウェブサイトは、顧客を遠ざけるだけでしかありません。

 さらに悪いことに、Flashオンリーでウェブサイトを構築すれば、確かに見た目はクールになるかもしれませんが、それによってほとんど全ての人に不快な思いをさせてしまいます。
 世界のネットユーザーの半数近くが、未だにダイヤルアップ接続程度の速度で利用しているのです。さらに問題なのは、障害を持っている人々を積極的に冷遇してしまうということです。

・車いす用スロープが必要な場所に縄ばしごを置いてはならない

 あなたのウェブサイトのアクセシビリティをよく考えるということは、あなたの職場内のアクセシビリティを考慮するのと同じくらい重要なことです。それは実際に法律になっているだけでなく、「視力のない人たちは音楽も好きではないように思えるから、あなたのウェブサイトに何らかの価値を見出してくれるとも思えない」という反直感的解釈につながります。
 blog記事版:私たちが数週間、民事裁判から目を離している間にも、こうしたウェブサイトが『差別的』だと訴えられているにちがいありません。私はそう確信しています。
 PDF版:イギリスでは、実際に裁判で数千ポンドの罰金を払わされるケースもありました。

 私の知る限りの話ですが、視力障害者の方々も熱心な音楽カスタマーです。そういった方々は、「スクリーンリーダーが役に立たないウェブサイトデザインをする」最悪の連中が、しばしば音楽ビジネスを行っていることに、常にいらだちを覚えています。

 幸いにも、あなたのウェブサイトのアクセシビリティを高めるのはそれほど難しくありません。それを実現するのに役立つお手軽ガイドラインもあります。Web Accessibility Initiativeには有益な文書がたくさんありますし、あなたのウェブサイトがXHTMLに対応しているかどうかをチェックすることもできますし、そうすべきなのです。
(切身魚注:XHTMLとは、HTML形式で記述可能なXML言語。データベースの各要素にHTML同様のタグをつけて管理可能だったり、OSに依存しない記述でデータのやり取りが可能なため、2002年以降急速に広まり、標準化した。特にCDや楽曲の情報はデータベースとして保存し、随時更新してウェブサイトに表示することが多いため、XHTML対応は必須といえる。)

 ユーザビリティとアクセシビリティの間に強い相関があることを知れば、あなたは興味をひかれることでしょう。アクセシビリティについて考えればそのぶん、ユーザビリティについてもよく考えていることに繋がるのです。

 Jakob Nielsenのウェブサイト『Use It』には、ウェブ・ユーザビリティに関するたくさんの有益なTips(ミニ知識)があります。彼はブラウザ互換性や、人々がどのようにウェブサイトを利用しているのか、そして人々がやってしまいがちな失敗トップ10などについて教えてくれます。
 
・「アクセスしやすい=ダサいサイト」ではない

 アクセシビリティの高いサイトにしようとして、見栄えの良くないサイトを作る必要はありません。CSSはウェブサイトのスタイルを整える優れた方法です(CSS Zen Garden 日本語版をチェックしてみてください)。報酬に見合うだけの有能なウェブ・デザイナーであれば、このような最新の標準仕様をよくわかっているはずですし、どのようにしてそれを歌わせるのか、視覚的に話させるのかを知っているはずでしょう?

 しかし何よりも大事なのは、あなたのサイトは良く考え抜いて作らなければなりません。直感的に利用でき、ロード時間が短く、利用者の目的に沿ったサイトでなければなりません。

 私がこの記事で述べたいことは、
 「人々があなたのウェブサイトを簡単に利用することができ、好きになってくれたとしたら、あなたにもっとお金を出してくれるようになるか?」
 という話ではありません。
「人々がウェブサイトを簡単に利用できず、好きになれないのであれば、お金を払うことは絶対にない」ということを申し上げたいのです。


 という風に、私家訳したあとウェブサイトのアクセスしやすさ(アクセシビリティ)がほんとうに大事なことを痛感いたしました。
 
 どこに何があるか分かりづらいウェブサイト。
 四角い頭が丸くないと発見しづらいウェブサイト。
 情報の重要度や視線の流れ、手順の流れにそって配列されていない目次のウェブサイト。
 サイトマップがないサイト、あるいは『このサイト内でGoogle検索する』ボックス(Google カスタム検索といいます。自分のドメイン名を持っているサイトなら、利用しない手はありません! 詳しくはこちらで。http://www.google.co.jp/cse/ )
 
 上記のようなサイトはいずれも、閲覧に支障や不便を感じさせます。その時点で、あなたのウェブサイトは、他の一千万もの同業者のウェブサイトと比較され、敗北が決定するのです。
 魅力的なコンテンツを作り出すことは、もっとも優先順位の高い仕事です。
 ところが、いくら素敵なコンテンツを作る能力があったとしても、「ウェブサイトが見づらい」というつまらない理由で、顧客は逃げていくのです。
 CEOの技術を駆使して検索結果上位に食い込めば、顧客をサイトの入り口につれてくることはできるでしょう。ですが、『サイトにアクセスし辛い』となれば、顧客は入り口で回れ右して逃げ出すのです。
 とても素敵なコンテンツを作っていれば、それでも食いついてくれる熱心なファンが紹介文を書いてリンクしてくれるに違いない、とお思いですか?
 わたくしの個人的経験から結論を申しますと、『熱心なファンといえど、アクセスし辛いサイトという不利益を覆すことは難しい』です。
 例えばイラストサイトをファンによるリンク経由で巡るとき、参考情報として紹介文を流し読みします。ほかの研究ジャンルや横断的情報収集でも同様にします。
 その紹介文で「少し読みづらい」とか「パスワード登録必須」とか書いてあったらもう、見に行く優先順位が下がります。他の「読みやすく」「登録不用」なサイトを見に行くほうが簡単で、時間も無駄にせずにすみますからね。
 よほど時間が余って、既に見たサイトだけでは不足だ、と感じるときならば、『少しぐらいの不便も我慢しようか』という気分になることでしょう。ただしスピード勝負で余暇時間も限られているの現代社会において、そういう気分になることはめったにありません。
 そんな滅多にありゃしない幸運に期待するより、自分のウェブサイトを視覚障害者にも聴覚障害者にも問題なく閲覧可能で、アクセスしやすく、格好良いものにするほうがいいに決まってます。

 自分の身近なお話で申し上げれば、参加サークル『S-TRIBE』のウェブサイトが、実質手打ちによるHTMLカスタマイズの賜物と知って、その努力にはほとほと頭が下がる想いです。
 反面、何かいいもの、楽に維持管理できて変更が容易なフリーツールはないかしら、と探したくなりました。
 もちろん、私個人で持っているサイトのことも考え直す良い機会です。XHTMLに対応可能なのは分かっておりますが、人的・時間的コストに見合う導入成果が求められますので、検討は慎重に行いたいところ。
 
 『アクセシビリティ』のお話は、現時点ではこうした意味においてためになる内容でした。今後、自サイトやサークルサイトのデザインにおいて重要になってくると思います。
 第17節以降も興味深く拝読してまいりたいものです。
 完全に、全部の英語ニュアンスを正確に、違和感ない日本語に翻訳することは困難です。私の翻訳は、文法的な正確性は当然のものとしたうえで、日本語として意味が伝わりやすいように、語の前後を置き換えたり、文を分けたりしていますこと、ご理解ください。(だからこそ、プロ翻訳者は凄いものですし、お金がもらえる職業なのです)
 ココではあくまで、私の理解できた意味をご紹介してまいりたいものです。
 ゆるりとお楽しみくださいませ。
 人生の楽しみは尽きませんのぅ!はっはっはっはっ。

参考リンク先にて無料のPDFファイルを配布中。

著者: Andrew Dubber 原文英語 他
原典:The 20 things you MUST know about music online
http://www.newmusicstrategies.com/ebook/

もっと正確な日本語訳 heatwaveさんのブログ
http://peer2peer.blog79.fc2.com/blog-entry-1427.html
http://peer2peer.blog79.fc2.com/blog-entry-1624.html
posted by 切身魚(Kirimisakana) at 14:44| Comment(0) | 20のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年03月29日

『15 RSS』

 こんにちは、猫耳DMことVOCALOIDな界隈では切身魚の人です。
 Andrew Dubber氏の無料e-booksで配布されている著書、『オンライン音楽について知っておきたい20のこと』(原題"The 20 Things You Must Know About Music Online"
)は大変知的に刺激を受ける良い論文です。
 20個ほどの、優先順位はないのですが、いずれも重要な『オンラインでの音楽ビジネスについて、知っておけ!』なお話が収められています。
 私が今日読んでみたのは『15 RSS』です。本当に読みながら「うんうん」と首肯することしきりでした。
 正確で、実用新書のように論理的な日本語訳はheatwaveさんのブログでご覧いただけます。より理解を深めたい方はぜひご覧下さい。
http://peer2peer.blog79.fc2.com/blog-entry-1427.html
http://peer2peer.blog79.fc2.com/blog-entry-1624.html
 ここでは私の意訳を交えた引用つきで、その内容を少しご紹介いたしますね。以下の()内は私の注釈です。

 RSSは電子メールの発明以降、最も有益なテクノロジーである。まだ利用したことがないなら、それはあなたのインターネット利用を劇的に変えるものとなるかもしれない。

 時間とエネルギーが十二分にあれば、膨大な数の有益なニュース・情報サイトを発見し、それらのサイトを毎日1つ1つ訪問し、おもしろそうな新着記事があればチェックするということもできるでしょう。

 当然ながら、それには膨大な時間がかかりますが、情報の受け取り方、向き合い方を変えたらどうでしょうか。

 それぞれのウェブサイトに実際に訪問せずして、まさに同じことが実現できるのなら、どれほど素晴らしいことでしょう。

 それがRSSです。ここではRSSについてお話しいたしましょう。

 RSSはあなたにコンテンツを届けるための方法です。それは、あなたが真に興味を持つものだけが、あなたに直接届けられるというカスタマイズされた新聞に他なりません。

 しかし、こうした利点は氷山の一角に過ぎません。RSSはあなたにお金をもたらすものでもありますし、オーディエンスとの出会いをもたらしてもくれます。さらにあなたにオピニオンリーダーの役割を担わせるものでもあり、あなたの魅力をさらに高めてくれるものでもあります。
実にクレバーなテクノロジーです。

 RSSは、『リッチ・サイト・サマリー(Rich Site Summry)』、またはよく言われるように『リアリー・シンプル・シンジケーション(Really Simple Syndication)』という言葉の略称です。これは、ブログ、ニュースサイト、ポッドキャストのような定期的に更新されるウェブコンテンツを配信します。

 ユーザからすると、RSSはおもしろいコンテンツを購読し、直接探す手間なく配信してもらうための手段となります。

無料購読

 「購読」という言葉を聞くと、フィードを受け取ることでお金をとられるのではないかと思われるかもしれません。しかし、RSSはそうではありません。

 ここで言う『購読』の意味は、あなたが手を挙げて「はい、お願いします。今からあなたが何か新たに発信する度に、それを受け取りたいです。」ということなのです。

 BBCなどのニュースサイト、I Can Has Cheezburgerといったおもしろくて気晴らしになるブログ、Techdirtなどギークのお役立ちリソース、New Music Strategiesなどのオンライン音楽ビジネス情報・コンサルタントサイトの多くが、RSSフィードを提供しています。
 彼らが提供する記事や更新は直接あなたに届けられますから、更新があったかどうかをいちいちチェックせずに済みます。

 あなたがこれらのRSSフィードを読むには、フィードリーダーやRSSアグリゲーターと呼ばれるソフトウェア、ウェブサービスを利用します。このフィードリーダーは、登録したウェブサイトを全てチェックし、「新しく、面白いもの」のリストを更新してくれます。

 通常、サイトはコンテンツのRSSフィードを提供していることを、ページ上の小さなバッジやボタンに『feed』『subsctibe』または『RSS』『RDF』『XML』といった言葉を添えて提示しています。『Atom』と表現されていることもあります。
 複数の表現がありますが、実際にはどれも同じようなものです。少なくとも、今日の私たちの目的においては、これらの用語はほとんど同じと考えて差し支えありません。

 私のブログでは、他のほとんどの人たちに比べると、RSSの提示はそれほど繊細なものではなく、スタンダードなRSSフィードロゴを強調した、大きなオレンジのボタンにしています。もちろん、他のさまざまなサイトでももっと小さなサイズのボタンを目にしていることでしょう。

 では、ボタンをクリックしてみてください。何が起こったのかを見てみましょう。

 一部のサイトはフィードを公開していませんが、一般的に、ブログや新規サイトを運営しているのにフィードを公開しないというのも、全然スマートなやり方ではありません。
 それにちょっと調べれば、公開していないRSSを簡単に見つけることもできるのです。フィードリーダーにウェブサイトのURLを入力すれば、すぐに発見できるのですから。

 現在、数多くのRSSリーダーがあります。電子メールソフトのような見た目のソフトウェアが主流のようです。中には有償のソフトウェアもありますが、いずれにしろRSSリーダーは高い人気を誇っています。個人的には、無料のソフトウェアの方が気に入っていますが。
 これまで私は数多くのRSSリーダーソフトウェアを試してきましたので、その中からいくつかお勧めしておきましょう。

1. Google Reader 最近これに乗り換えたばかりですが、今では完全に夢中です。GoogleはこのRSSリーダーを実によく考えて設計していて、あなたが興味を持っているトピックのサブスクリプション・パッケージを用意しています。私はその中から、『Geeky』『Technology』を選択しています。…そのまんまじゃん、とか思いました?

2. Sage これはウェブブラウザ Firefox用のプラグインで、サイドバーにフィードを読み込んでくれます。Sageはどのページでもフィードを検索し、見つけてくれます。Firefoxを利用しているのであれば、試しになるとよいでしょう。
 私は不本意ながらもう利用していませんが、今でも数多くの人が好んで利用しています。もし、未だにインターネット・エクスプローラーでウェブを利用しているのであれば、これを機会にFirefoxをダウンロードして、進化してみてはいかがでしょうか。

3. Bloglines BloglinesはサイトメンバーにRSSアグリゲーションを提供する歴史あるウェブサイトです。
 Bloglinesの売りとしては、緩いソーシャルネットワークとして構成されていることです。他の人のお気に入りサイトを読むこともできますし、購読してみたい新しい、興味深いフィードを探すのにも利用できます。
 Google Readerのような圧倒的な簡潔性はありませんが、それでも親しみやすく、便利です。

 個人的には、RSSのおかげでオンラインミュージックワールドの最新情報(とおもしろ字幕付きぬこ画像)を得るために、個々のサイトを実際に訪問するよりも、遙かに多数のウェブサイトを選択的に読むことができます。ついにその数950サイトを数え、毎朝コーヒーを片手に閲覧しています。

警告:ノートPCのそばにコーヒーを置くときはご注意を。最近痛い目にあいましたからね…。

 また、RSSはポッドキャスティングを可能にするテクノロジーでもあります。メディアファイルはRSSフィードに同梱され、あなたのポッドキャスト・ソフトウェア(iTunesの人気が高いようです)に自動的に送り届けられます。

 何より素敵なのは、ひとたびあなたが『RSSフィードで何ができるか』を理解すれば、ご自身の利益を生み出すような様々なおもしろいやり方でRSSフィードを活用することができることです。

 たとえば、New Music StrategiesにNewswireサービスがあることをご存じでしょうか。これはインターネット上から収集したオンライン音楽ビジネスに関連する記事へのシンプルなリンクリストです。
 このサービスは提供にあたって、RSSを利用しています。

・まず、朝のラップトップコーヒーの儀式(飲みながら読むことです。こぼして慌てる、じゃありませんよ。)の間に、リンク用ページを探します。

・次に、それらのページをdel.icio.usを使って(これを強くお勧めします)ブックマークします。その際、それらの記事に『newswire』というタグをつけます。

・Del.icio.usは全てのページのRSSを提供しており、特定のタグがつけられたブックマーク記事のフィードも自動的に生成してくれます。

・そのRSSフィードをこのサイトに埋め込みます。

 これによって、私はこのサイトに、オンライン音楽の最新記事リンクでいっぱいの有益なページを加えることができるのです。しかも、そのページを自分で更新する面倒もありません。
 有益だと思った記事をブックマークしていくだけで、そのページは自動的に更新されるのですから。手間をかけずにお役立ち、というわけです。

 さらによいのは、私はRSSフィードの管理にFeedburnerを使っているのですが、Feedburnerはメール・サブスクリプション・オプションも提供しています。筆者のウェブサイトのサイドバーにあるNewswire signupの欄にあなたのメールアドレスを入力すれば、最新リンクの日刊リストが直接、あなたのメールアドレスに送信されます。自動的、かつ無料です。

 複数のやり方で同じものを提供しているのは、なんだか可笑しいように思われるかもしれませんが、これらは『一度設定してしまえば後は自動』でやってくれるものです。
 複数の便利なやり方と一緒に並べて置いても悪くはないでしょう。

 ビジネス的な観点から、カスタマーとの現在進行形の関係を確立するためにも、RSSを利用できます。RSSを利用すれば、カスタマーがサイトを訪問し続けるようにと、いつも何かしておかなくてはならない、という必要もあちません。

 たとえば、ニューリリースやコンサート情報を購読者に知らせることができます。それに埋め込み型RSSニュースを使えば、あなたの特定の興味やテーマに関連する全ニュースは、一括情報源として提示できます。

 しかしなによりも、RSSアグリゲーター(フィードリーダーという言葉でも構わないのですが)を使うことで、
『毎日毎日同じウェブサイト群を巡回する』
 という面倒をユーザーにさせずにすみます。つまり、この『オンライン音楽マーケティング』ゲームで超有利でいられるのです。
 さぁ、Goolge Reader、Sage、Bloglinesを使って、あなたの世界のWhat's Newを見つけましょう。

ただし!コーヒーカップに肘をぶつけぬようご注意を。


 という風に、私家訳したあとRSSがまったく活用されていなかった自分の情報環境を省みております。
 使い方は存じておりました。ただ、私のスタイルには合わなかった、使ってない理由はそれだけのことだ、と。

 ところが実際には、私はRSSを大活用しておりました。
 iTunesのポッドキャスト番組という形で、です。
 カナダのラジオ、CBC Radioのポッドキャストや、ロサンゼルスの第二言語として英語を学ぶ人用のESL Podcastを毎週更新で視聴していたのです。
 あまりにも自然に、iTunesの機能の一つであるかのように用いておりましたものですから、『特別意識していなかった』のでございます。

 この事実はとても興味深いものです。
 『マルチメディア』がまったく未知の、文化の地平線を押し広げて新規市場を活性化させる『痩身健康薬』のように取りざたされて居た頃のことです。教育学部、それも美術の教育論文を書く人々として、パソコンを用いてインターネットを活用し、論文を書くことはまだ特殊な部類に入る手法でした。
 それでも、活用方法を知っている人にとっては、
「そんなことは特別でもなんでもない。手間はそれなりにかかるが、他の論文を取り寄せたり、実験結果をレポートにまとめたりするのとまったく同じことだ。」
 ということでした。
 さて現代、2010年ではどうでしょう。パソコンに限らず携帯電話を用いても、たいていの人がネットの情報を活用できます。ですから、『インターネットを活用し、論文を書くこと』はたいして特別なことではなくなりました。
 一方、ネットの情報ソースのなかから、本当に価値のあるもの、役に立って、嘘や曖昧さのない情報を探す技能のほうは、
「すごいすごい、情報検索の達人だ」
 と褒められるようになりました。
 Wikipediaを丸写ししてこと足れり、とする学生が先生に怒られる一方、Wikipediaを読み、他の論文も読み、なおかつ自分のこれまでに得た情報や知見から、『自分の意見、結論』を出せる能力が問われるようになっているのです。
 皆が自然に出来ることは、特別でもなんでもないのです。

 ところがそのおかげで、iTunesのRSS活用のように『自然に生活に溶け込んでやってくる情報』は、『いやらしいスパム』や『宣伝乙』とは受け取られておりません。
 『スパムは厭だなぁ』とか、『はいはい宣伝宣伝』という感情を引き起こさないこと。
 このスマートさは、見事な手法と申せましょう。
 私は特に、「商品を売りつけるためのストーリー付き宣伝番組に、人生の残り時間を使うのはもったいない」と、テレビ番組はほとんど見ません。
 どうしても好きで、離れられない『ポケモン』や、BBC/NHK共同制作のドキュメンタリー番組(内容は主に科学、教育、環境、野生生物)や、教育……特に子どもと一緒に見られて、大人でも知的によい再刺激になる番組。あるいは物語と映像にとても見るべきものがあると感じているアニメや映画。
 そのぐらいだけ見るのです。
 そのぐらい、『宣伝されること』に敏感で、否定的です。
 よほど魅力的なコンテンツでもないかぎり、他の宣伝手法では私の防壁は突破させません。
 ところがiTunesのRSSは、その防壁とセンサーをすり抜けて、『誰でも使える便利機能』という風に入り込んできました。

 他の宣伝手法を否定するつもりは皆目ございませんが、RSSを宣伝手法の一つに活用する利点は、確かにあるのです。
 注目をあつめるために。
 『注目して!』と呼びかけられたらまず警戒する。そのようなお相手に、スマートに注目してもらうにはどうしたらよいでしょう。
 それは、『注目している』と気づかせないことです。
 ある方法であなたのサイトにたどり着いた人を、いちいち面倒くさい気分にさせず、「注目して!とやかましく誘われた」気分にもさせず、スマートに注目してもらう方法。
 その一つとして、RSSは大変優れたテクノロジーだと申せましょう。

 あとはあなたが用意できるコンテンツが、注目に値するものでありさえすれば良いのです。
 これこそが最も大事なことですので、マーケティングの研究はほどほどになさって、素敵な創作活動をお楽しみになってくださいますように。

 第16節以降も興味深く拝読してまいりたいものです。
 完全に、全部の英語ニュアンスを正確に、違和感ない日本語に翻訳することは困難です。(だからこそ、プロ翻訳者は凄いものですし、お金がもらえる職業なのです)
 ココではあくまで、私の理解できた意味をご紹介してまいりたいものです。
 ゆるりとお楽しみくださいませ。
 人生の楽しみは尽きませんのぅ!はっはっはっはっ。

参考リンク先にて無料のPDFファイルを配布中。

著者: Andrew Dubber 原文英語 他
原典:The 20 things you MUST know about music online
http://www.newmusicstrategies.com/ebook/

もっと正確な日本語訳 heatwaveさんのブログ
http://peer2peer.blog79.fc2.com/blog-entry-1427.html
http://peer2peer.blog79.fc2.com/blog-entry-1624.html
posted by 切身魚(Kirimisakana) at 15:49| Comment(0) | 20のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする